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お金の情報・まめ知識 2023/4/4

LDCレポート【4月号】

日本独自の市場、「軽EV」。法人向けに、快走。

 世界各国で、ガソリン車やディーゼル車を規制する動きが広がっています。中でも中国は、2035年までに新車販売をすべてEV(電気自動車/BEVともいう)に。また、脱炭素の旗振り役を担う独・英・仏などは、2035年までにガソリン車の販売禁止を表明しています。

 日本のEV事情はというと、これまで自動車メーカーはEVよりガソリン車の燃費改善や環境性向上の技術開発に注力。世界に名だたる“ハイブリッド車(HV)”として結実した一方で、[三菱]が2009年に「i-MiEV」(アイ・ミーブ)、2010年に[日産]が「リーフ」と立て続けにEVを発表しましたが、それ以降、10年以上の間、EV普及は加速することなく停滞。しかし、2021年、政府は“2035年までに、EV、HV、FCV(燃料電池自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)で新車販売100%を実現する”旨を発表。EVシフトへのカジがはっきりと切られました。

 2022年上半期の国内新車販売に占めるEV比率は約1%と、中国の19%、EU主要国の13%、韓国の8%と比較しても日本の普及率が低い水準にとどまっていることがわかります。その要因として、ユーザー側からは、価格が高い、航続距離が短い、車種が少ない、充電インフラが十分ではない、かつ充電に時間がかかるなどの“コスパ”と“タイパ”の悪さが。メーカー側からは、なんといってもバッテリーのコスト高。これら双方の要因が相まって普及を阻んできたと考えられます。

 そんな状況の中、2022年6月、EV界に“小さなスター”が現れ、EV普及への救世主になろうとしています。それは、軽自動車のEVです。

 日産と三菱が共同開発し、日産は「サクラ」、三菱は「ekクロスEV」として販売。この2車種がけん引し、2022年の国内EV販売台数を一気に前年比2倍以上に押し上げました。

 両社は、軽の最大の魅力である“手頃な価格”に近づけるため、電池容量をあえて抑えたのをはじめ、各箇所で製造コストを抑制。その上で、軽の常識を超えた、非力さを感じさせない高トルクを実現しました。1回の充電(フルで8時間、80%で40分)で、180kmまで走行可能。価格は共に239万円から。

 カーボンニュートラルへの意識は、個人より法人のほうが強いため、商用車のEV化が選択肢として急浮上しています。

 中国の[広西汽車集団]系は今年、日本のEV設計企業と組んで約150万円の軽EVバンを発売。物流大手の[佐川急便]に導入が予定されています。

 京都市内のタクシー大手3社は、日産の「サクラ」を導入。[ホンダ]は商用タイプの軽EVバンを2024年春に発売予定。[ダイハツ]や[スズキ]も2025年までに軽EVを発売する計画。[日本郵便]は2025年度までに軽自動車1万3500台と二輪車2万8000台のEV化を目指します。[ヤマト運輸]も2030年までにEV2万台の導入を発表。

 日本の新車販売のおよそ40%を占める軽自動車。言うまでもなく、日本だけの車格であり、独自の文化といえるほどの存在です。ある日本の車メーカーの社長は、「EVを普及させるには、日本の商用車の主力である軽の領域を攻略するのが近道だ」と述べています。

 昨年来の軽EVの快進撃は、日本のEV市場、さらに軽自動車市場の歴史に新たな、そして価値ある1ページを刻んだといえそうです。

※参考:

(一社)全国軽自動車協会連合会  https://www.zenkeijikyo.or.jp/

三菱自動車               https://www.mitsubishi-motors.co.jp/

日産自動車               https://www.nissan.co.jp/

広西汽車集団              https://www.wuling.com.cn/

ホンダ技研工業             https://www.honda.co.jp/

ダイハツ工業              https://www.daihatsu.co.jp/

スズキ                   https://www.suzuki.co.jp/

日本郵便                 https://www.post.japanpost.jp/

ヤマト運輸                https://www.kuronekoyamato.co.jp/ 

 

■“駅まで▲▲分”が変わる。不動産広告の「距離表示」、改正。

 2022年9月から、不動産広告の表示ルールが変わったことをご存じでしょうか。「不動産公正取引規約」の改正に基づくもので、背景には、消費者からのクレームの増加に伴い、不動産各社が加盟する「不動産公正取引協議会連合会」が数年前から改正の必要性を認識。より時代に合った広告のルール変更に踏み切ったということです。

 今回の改正点で最も重要なポイントが、“所要時間表示”と“距離表示”の変更です。

 複数の棟(区画)で構成されている分譲地の場合。物件から目的施設までの徒歩所要時間を計測する際、敷地内の最も近い地点から測った数値だけ、つまり最短距離の表示だけでよかったのが、新規約では、最も遠い地点からの時間も併せて表示することが義務付けられました。単に“駅まで徒歩10分”ではなく、一番遠い区画から駅まで12分かかるとすると、“駅まで徒歩10分~12分”が正しい表示となります。

 距離計測でも、従来は“敷地の出入口”を起点として行われていましたが、改正ルールでは“建物の出入口”を起点とする計測に。

 また、電車やバスなどの公共交通機関を利用する際の所要時間についても明確な取り決めが。従来は、“通勤時の所要時間が平常時の時間を著しく超えるときは、通勤時の方の所要時間を表示する”となっていました。しかしこれでは判断基準があいまいということで、“朝のラッシュ時における所要時間を明示する”と明確に改正(平常時の所要時間はその旨併記)。さらに、乗り換えが発生する場合は、これまで、その旨の明記だけでしたが、新規約では“乗り換え時に要するおおよその時間を所要時間に含めて明記”しなければならなくなりました。

 “駅まで徒歩10分”が、ニーズの分かれ目とされるマンション選び。今回の改正によって、最大で5分程度の差が生じるといわれ、これまでよりも“遠くなる物件”が出てしまう可能性もあります。特に中古住宅では、かつて10分以内が売りだった物件の資産価値に影響が出ることも考えられます。 

※参考:

不動産公正取引協議会連合会   https://www.rftc.jp/

日経МJ(2022年12月11日付)

日経МJ(2022年12月19日付)

Motor Magazine(2023年1月号) 

 

■注目度の高いのも複雑ですが……個人宅用「核シェルター」。

 “核の脅威”----どこか遠い国の話だと思いつつも、昨今の不穏な世界情勢を見るにつけ、一概に“他人事”とは思えないのが現状です。家族の身を守るための備えとして、日本でも徐々に「核シェルター」の必要性を感じる人が増え、注目度が高まっています。

 とはいえ、日本においてはまだ“一般的”といえるほどのレベルには達してはいません。世界の人口当たりの核シェルター普及率は、スイスとイスラエルが100%、ノルウェーが98%、アメリカが82%、以下、ロシア、イギリス…と続く中、日本は0.02%と際立った低さが目立ちます(日本核シェルター協会)。日本はそれだけ“平和な国”であることを裏付ける証しともいえますが、この数値からみると、現在のところ有事にシェルターに避難できる日本人は、1万人に2人という計算になります。

 個人宅用の核シェルターは、大きく二つの種類に分けられます。

 一つは、シェルターを自宅の地下や庭などに埋め込むタイプ。

 輸入住宅の建設や防災シェルターを手掛ける[アンカーハウジング](川崎)では、核シェルター付き住宅を開発。地中埋め込みタイプで、住居から直接避難ができる地下室型。シェルター内部の広さは約10㎡で、放射能を除去しながら空気をろ過する換気設備や井戸から水を供給する装置、微生物の働きで排泄物を分解・処理するバイオトイレなどを装備。電気はソーラーパネルで供給し、衛星電話や冷暖房設備も完備。フローリングの床を外すと収納スペースに。家族4人、約2週間分の水や食料を備蓄できます。平時にはワインセラーや食料保存庫、カラオケ、楽器演奏部屋としての使い道も。シェルターのみの価格は内部工事費や設置費用含めて2000~3000万円。

 二つ目は、シェルターを地上に設営するタイプ。

 シェルター付き住宅や避難シェルターの開発・販売を手掛ける[シェルタージャパン](浜松)の「核用 地上置き型シェルター」は、地震や津波にも対応でき、避難場所としても使えます。大人10人収容可能で、本体価格は798万円~(税別)。

 また、溶接板金加工の[直(なお)エンジニアリング](茨城)が7年を費やして開発した地上設置型シェルター「CRISIS-01(クライシス ゼロワン)」は、幅4m、奥行き2m、高さ2.15m、重量2.3t、内部の広さ約10㎡。価格は660万円(税込)で、“離れ”として普段使いにも活用できます。

 日本でシェルター購入のネックになっている最大の理由が、住宅設備としては高価なこと。(使う事態にならないに越したことはありませんが)普及が難しいのは、日本での施工例が少ない上に、実際の災難に遭遇してシェルターのありがたみが実感されたという実証データが極端に乏しいことにあります。

 [大和ハウス]などが中心となって活動している「防災地下シェルターの普及に関する研究会」では、日本型の地下シェルター建築基準づくりを目指すとともに、補助金や税制優遇などの政策提言にも取り組んでいます。

※参考:

日本核シェルター協会      https://www.j-shelter.com

アンカーハウジング                https://www.ancar-mission.com/

シェルタージャパン                 https://shelter-japan.jp/

直エンジニアリング                 http://www.nao-e.co.jp/

日経МJ(2022年12月23日付)