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暮らしの情報・まめ知識 2022/9/1

LDCレポート【9月号】

新女王バチを守るため。秋のスズメバチ

自然界には毒をもつ危険な生き物がいますが、夏の終わりから秋にかけてのこの時期、特に注意したいのがスズメバチです。オレンジと黒の縞模様の体に恐ろしい顔つきをした大型のハチは、実際に見たことがなくても図鑑やテレビ、雑誌、ネットなどでその姿を目にした方も多いでしょう。林野庁の統計によると、2020年(令和2年)のハチ刺されによる死亡者数は13人。山だけでなく、市街地や住宅街にも巣をつくることがあり、安心は禁物です。

 スズメバチとは、ハチ目スズメバチ科スズメバチ亜科に属するものの総称で日本には16種が生息しています。よく耳にするのはオオスズメバチやキイロスズメバチ、コガタスズメバチ、モンスズメバチあたりでしょうか。特に大きさが4cmにもなるオオスズメバチと、街なかにも出現して1000匹以上の大集団による大型の巣を住宅の軒下などにつくるキイロスズメバチには注意が必要です。

 スズメバチのライフサイクルは、春は女王バチが巣をつくる季節で、夏から秋にかけては働きバチが羽化し、繁殖期に入り新女王バチが誕生します。冬には新しい女王バチのみが越冬し前の女王バチや働きバチ、雄バチは冬を越せません。スズメバチにとっては夏から秋にかけてが最も大切な時期であるため、被害も集中してしまうのです。

刺されないための予防としては、とにかく巣に近づかないことです。ハチのテリトリーに侵入する、巣のそばを通る、巣を叩くなど刺激するのはご法度。スズメバチの防衛本能によって攻撃されてしまいます。

もし、スズメバチに刺されてしまったら、体に入る毒をできるだけ排除します。毒抜き器などで吸い出したり、水で洗い流しましょう。アンモニアは効果がありません。意識がもうろうとしたり呼吸が困難な時はすぐに病院に行ってください。自宅の敷地内の巣の駆除も、エアゾールと呼ばれる殺虫剤スプレーの他、毒入りエサを置いたり、置くだけでハチをとらえられる捕獲器などバリエーションが増えています。手におえないかも、と思ったら無理をせずお住まいの自治体や専門業者に相談しましょう。

※参考:

林野庁         https://www.rinya.maff.go.jp/

アース製薬株式会社   https://www.earth.jp/

フマキラー株式会社   https://fumakilla.jp/

YAMA HACK        https://yamahack.com/

 

■「体験」を楽しむ旅のすすめ

 季節もうつろい、旅やお出かけに最適な秋がやってきました。旅行の目的は、観光や温泉、ご当地グルメなどさまざまですが、この秋おすすめなのが「体験」する旅です。

旅先での体験というと海や山、川、湖、空のスポーツ系アクティビティを思い浮かべて敬遠したり怖気づいてしまう方が多いかもしれません。しかし大人の体験旅のキーワードは「ものづくり」や「学び」。普段はなかなかできないことを楽しむ、と考えればわかりやすいでしょうか。

 代表的なのは伝統工芸でしょう。何百年と受け継がれてきた日本のものづくりの技術や知恵に触れることで、手仕事の良さを再認識できたり、低価格のものを使い捨てる今の暮らしを見つめ直すきっかけになるかもしれません。できあがった作品が世界で一つだけのものというのも贅沢ですよね。

 また、農業収穫や林業、酪農といった生産現場での体験も人気があるようです。家族連れだけでなく、定年後の移住などセカンドライフを見据えて参加してみるのもよさそう。そうそう、左党の方には酒蔵体験はいかがでしょう。かつては蔵人しか入れなかった場所で実際の酒造りを経験できるうえに、試飲や利き酒など酒蔵ならではの体験ができるそうです。

 満天の星空を見るためだけに、ホタルイカがきらめく夜の海に繰り出すためだけに。そんなオンリーワンの旅に出かけ、とっておきの非日常な体験をしませんか?

※参考:

じゃらんネット   https://www.jalan.net/

RETRIP        https://retrip.jp/

日本旅行      https://www.nta.co.jp/

オズモール     https://www.ozmall.co.jp/

アソビュー     https://www.asoview.com/

近畿日本ツーリスト https://www.knt.co.jp/

とやま観光ナビ   https://www.info-toyama.com/

 

■身近になった「米粉」

  輸入小麦の高騰で米粉(こめこ)の存在がクローズアップされています。

米粉とはその名の通り、お米を粉にしたもので、実はこれまでもなかったわけではありません。だんごや草餅の材料になる上新粉はうるち米を粉にしたもので、もち米を粉にした白玉粉とともに、奈良時代から使われています。ただ、これらの粉は小麦粉に比べて粒が粗めなので、ケーキやパンなどの洋菓子に使うのは難しいとされてきました。

 最近話題となっているのは「新しいタイプの米粉」ともいえるもの。製粉技術の研究が進み、粒子の細かい粉をつくることに成功したのです。この技術のおかげでケーキやパン、麺類などさまざまな加工品が米粉でできるようになりました。

 米粉の特徴としては、もちもちした食感があげられます。また、小麦粉に比べて油を吸いにくいので、揚げ物がカラッとサクサクに仕上がります。油を吸収しない分、カロリーが抑えられます。ダマになりにくく、扱いやすいのもうれしいポイントです。

 こうしたことが広く知られるようになり、かつての「小麦粉の代替品である米粉」から「おいしくてヘルシーだから選ぶ米粉」へと変化したのです。さらに米粉には小麦アレルギーの原因とされるグルテンが含まれないため、アレルギーをもつ方にも安心です。

 国内で1年間に食べられている小麦の87%を輸入に頼っている日本ですが、お米の自給率はほぼ100%。お米の消費量が減少しつつある今、米粉の製品を食べることが日本の米づくりを応援することにもつながりそうです。

※参考:

農林水産省   https://www.maff.go.jp/

新潟県      https://www.pref.niigata.lg.jp/

日本米粉協会 https://www.komeko.org/