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暮らしの情報・まめ知識 2025/6/1

LDCレポート【6月号】

■“映える”鉢植えのアジサイが人気

 梅雨といえばアジサイ。「雨に濡れながら青い花を咲かせる、地味な低木」という印象が強いのですが、最近、園芸店などでは華やかなルックスのアジサイの鉢植えがたくさん並んでいます。母の日やお中元など、ギフトとしても人気があります。

 アジサイは日本原産の花です。山などに自生していたと思われますが、人々の関心は低く、万葉集では萩が140首以上詠まれている一方で、アジサイはわずか2首にすぎません。江戸時代になり、園芸書には登場していますが人気はいまひとつでした。幕末、医師シーボルトが持ち出したアジサイが海外で品種改良され、大正時代には「西洋アジサイ」として日本に逆輸入されますが、ここでも普及しませんでした。戦後になってようやくアジサイを見に観光客が来るようになり、観光の目玉として浸透。いわゆる「アジサイの名所」が各地で誕生したのです。

 現代のように、さまざまな園芸品種のアジサイの鉢植えが店頭に並ぶきっかけは、昭和59年(1984年)に種苗登録された「ミセスクミコ」というアジサイです。かわいらしいピンクの大ぶりな花を咲かせるミセスクミコは一世を風靡しました。人々がこぞって買い求め、母の日に鉢植えとして贈る文化が広まりました。今日のように母の日の鉢植えの定番になったのは、ミセスクミコという品種があったから、なのですね。

 これを機に品種の育成が普及し、「墨田の花火」や「ダンスパーティー」などスター級のアジサイが生まれています。なかでも平成24年(2012年)にフラワー・オブ・ザ・イヤーを受賞した「万華鏡」は八重の手まり咲きの美しさで大きな話題になりました。

 花色もカラフルになり、ピンク系も薄い色からローズピンクのような濃色まで、青色系も迷うほどのバリエーションがあります。なかには花の色が徐々に変わるのを楽しめる品種も。アジサイの花色は、PHによって変わり酸性では青色、中性からアルカリ性では赤色になるため、毎年色変わりを楽しむことも可能です。手入れをして毎年花を咲かせる楽しみもあり、日本の気候にマッチしているので鉢・地植え共に育てやすいことも人気の理由のひとつです。

 梅雨時で外は暗くじめじめしていますが、大輪の花々をつけた鉢植えのアジサイを飾れば、お部屋がぱっと明るく華やいだ雰囲気になりそうですね。

※参考:

みんなの趣味の園芸      https://www.shuminoengei.jp/

青山花茂                https://www.aoyamahanamohonten.jp/

はな物語                https://www.hanamonogatari.com/

島根県アジサイ研究会     https://www.ajisai-k.jp/

株式会社キャタラー        https://www.cataler.co.jp/

かぎけん花図鑑          https://www.flower-db.com/ja

 

■夏の健康と食卓に、麦とろ

 蒸し暑い季節がやってきました。今年は春先から夏日が続いたりしましたが、それでもまだ体は熱さに慣れていないため、夏バテを起こしやすい時期です。きちんと食べることは夏バテ防止の第一歩ですが、食欲が落ち、食事も偏りがちになります。

 食べやすく、のどごしもよく、栄養価も高く、日常的に食べられるものとして注目したいのが麦とろごはんです。6月16日は、麦(6)とろ(16)の語呂合わせから、「麦とろの日」に制定されています。

 「とろ」はとろろのことで、長芋・大和芋など、山芋と呼ばれる芋をすりおろしてだし汁や醤油等を加えたもの。山芋は消化吸収を助ける「ムチン」をはじめ、「ジアスターゼ」「アミラーゼ」といった消化酵素を含む消化のよい食品のひとつで、昔から「山のうなぎ」と呼ばれるほど栄養価が高いと言われています。最近はだし汁の代わりに麺つゆやだし醤油を活用してとろろを作る方も増えており、手軽に楽しめる料理でもあります。

 そして麦ごはんはご存じのとおり、お米に大麦を加えたものです。カルシウム、ビタミン、鉄分、ミネラル、豊富な水溶性食物繊維を含む栄養価にすぐれた大麦は、粘りが少ない「うるち性」と粘りの強い「もち性」があります。「うるち性」の押麦を選べば、あっさりとした食感の麦とろごはんになり、「もち性」のもち麦を選べば、ぷちぷち、もちもちした食感の麦とろごはんが味わえます。さて、麦とろごはんといえば思い浮かぶのが牛たんかもしれません。戦後の食糧難の時代、食べる習慣がないためにとても安かった牛たんに着目して、牛たん焼きを考案したのが仙台の料理人でした。  

 その後仙台名物になるものの、当時はお酒のおつまみだったとか。その牛たんを食べやすく工夫し、麦とろごはんを組み合わせて定食として提供したのが東京の牛たん専門店でした。今では、牛たんといえば麦とろごはんというほど、定番になっています。

 あるアンケート調査によれば、夏の体調管理は食事で整えていく意識が高いことがわかりました。麦とろごはんは、おいしさと健康管理を両立できる一品です。麦とろの日は単に語呂合わせでなく、食欲の落ちやすい夏場に適した料理としても理にかなっています。

※参考:

株式会社はくばく                https://www.hakubaku.co.jp/

NHKオンライン                  https://www.nhk.or.jp/

株式会社ねぎしフードサービス      https://www.negishi.co.jp/ 統計出典:「夏バテに関するアンケート」株式会社はくばく

■メダカ飼いになりたい!

 昨今、メダカが静かなブームを呼んでいるのをご存じですか? 小学校の教室で飼っていたり授業で習った記憶があるなど、決して珍しい魚ではないのに、なぜか注目されているのが不思議です。

 古くから親しまれてきた身近な魚だと思っていたメダカが、環境の変化等により激減、平成15年(2003年)にはとうとう絶滅危惧種に指定され、日本中が衝撃を受けました。全国各地で積極的な保護活動が盛んに行われ、人々の関心の高まりもあり、結果として環境保全にもつながったとされています。

 そんな背景もあってメダカに大きな関心が寄せられた結果なのか、「メダカ飼い」が増えているのだとか。子どもの観察のために飼い始めたら親がハマってしまったという事例も少なくないようです。ブームにのって改良メダカやオリジナルな新種も出現。「楊貴妃」と命名された朱赤色のメダカは、メダカが観賞魚として人々に広く認知されるきっかけとなりました。ほかに背中が銀色に光る品種や、ブラックダイヤと名付けられた黒色系もあり、価格は数百円から高いものでは1万円近くするものもあります。ペアで販売されていることが多いので、繁殖の楽しみも味わえます。品評会も開催されており、メダカを鑑賞しながらお茶が飲めるメダカカフェもあるのだそう。

 メダカは少しの設備で飼育ができるので、初心者にもハードルが低い点も魅力的といわれています。室内飼育であれば、飼育容器(水槽)、カルキを抜いた水、メダカ専用の餌、ライトがあればOK。屋外飼育でビオトープをつくるのもおすすめです。メダカは専門店だけでなく、ホームセンターのペットショップやインターネットショップ、道の駅などで小さな瓶に入って売られていることもあります。

 アクアセラピーという言葉があることからも、人は水面のゆらぎや泳ぐ魚を見てリラックスをしたり癒し効果があると言われています。「メダカ飼い」になって、元気に泳ぐ小さな姿を楽しんでみませんか?

※参考:

「メダカFriendメダカを愛するすべての人へ 2025 Vol.1」(ブティック社)

株式会社杜若園芸            https://tojaku.co.jp/

Kufura(クフラ)                  https://kufura.jp/

株式会社東京アクアガーデン     https://t-aquagarden.com/