NEWS
-お知らせ-

お金の情報・まめ知識 2024/4/1

LDCレポート【4月号】

 


 

■法改正も追い風に。増え続ける「空き家=負動産」に商機あり。  

 少子高齢化の進行や人口移動の変化などを背景に、年々“空き家”が生まれ続けて社会問題化しています。『平成30(2018)年 住宅・土地統計調査』(総務省)によると、全国の空き家数は約849万戸(20年前は約576万戸)と過去最多を記録。総住宅数に占める空き家の割合(空き家率)も13.6%(20年前は11.5%)と過去最高を更新。20年間で273万戸近くも増えたことになり、住宅の約7軒に1軒が空き家といわれています。

 そんな、待ったなしの“負動産”問題解決のため、行政も本腰を入れて動き出しています。

 住宅用として使われている土地に対しては、税の減額措置(6分の1)が適用されています。それは、人の住んでいない家であっても解体せずに宅地としておけば、税金が減額されることを意味します。この特例措置が、空き家が減らない要因の一つとみられてきました。そこで政府は、2015年『空き家対策特別措置法』(空き家法)を施行。まず、空き家として放置し続け、倒壊などの危険性が高い物件を「特定空き家」に“指定”し、行政から適切な管理を行うよう“助言・指導”が入ります。この段階できちんと対応しておけば、指定を解除することができます。しかしここで従わずに放置しておくと、今度は“勧告”へとレベルが上がり、その時点で「特定空き家」と認定されて減税の“恩恵”からは除外。固定資産税が指定前の6倍になってしまいます。そして最終的には、“命令”が下り、“行政代執行”が行われて取り壊しとなることに。

 しかし、それでも改善が見られない現状を受け、政府は昨年、『空き家法』の一部改正に踏み切りました(改正特措法/2023年12月13日施行)。今回の改正案は、そのままにしておけば「特定空き家」になる恐れがある予備軍的物件に対して、「管理不全空き家」という新たな区分を設け、自治体が改善指導を行いやすくしたもの。もちろん、従わずに勧告レベルまで行くと、「特定空き家」の場合と同様、減税措置の対象から外されます。

 空き家の早期の対処を促す今回の法改正は、空き家問題解消の進展が期待できると共に、そこには多くのビジネスチャンスも生まれます。

 空き家を早く手放したいオーナーと、安く手に入れたい人をつなげるマッチングサイト[空き家ゲートウェイ](運営/アルファクラブ武蔵野)が盛況です。特徴は、“100均物件”。空き家の価格が100円、もしくは100万円で、価格はオーナーが決めます。掲載料・仲介料は無料、収益はウェブ広告で。

 全国の自治体や国が管理する空き家情報を集めたプラットフォーム[LIFULL HOME’S空き家バンク](運営/ライフル)は、空き家になっている古い別荘を改修し、貸別荘に変身させるなど、750超の自治体から提供された6800以上の物件を掲載。

 中古住宅販売の[カチタス]は、空き家を買い取り、リフォームによって付加価値をつけ、新築の半額程度の価格で再生販売するビジネスモデルを展開。新築・中古・賃貸に続く第4の家の形態として、“リフォーム済み住宅”を打ち出しています。

 2022年時点で「特定空き家」に指定されているのは2万戸、その予備軍の「管理不全空き家」は約50万戸にも上ります。

 “空き家ビジネス”は、正確には“空き家再生ビジネス”。壊すしかなかった“負動産”が、今、新たな価値を持ち始めているのは確かなようです

※参考:

総務省            https://www.soumu.go.jp/

アルファクラブ武蔵野   https://www.alphaclub.co.jp/

ライフル           https://lifull.com/

カチタス           https://home.katitas.jp/ 日経МJ(2023年8月9日付/同12月4日付/同12月15日付/2024年1月1日付)  

 

■夜空が広告媒体に。感動の訴求力、「ドローン広告」。

 ドローンといえば、TV番組での空撮映像のイメージが一般的ですが、ほかにも物流や危険な場所の点検、農薬・肥料散布や種まき、建築・土木の測量など、多岐にわたって活用されており、もはや社会インフラの欠かせないツールとしての役割を担っています。

 そんな、多くの可能性を含むドローンに、さらなる魅力的なカテゴリーが加わりました。“エンターテインメント”という分野です。数百から数千のドローンをプログラミング制御し、機体のライトで夜空に文字や図形、アニメーションを描く“ドローンショー”。2021年、「東京オリンピック」の開会式で披露されたドローンショー(1824機を使用)が全世界に生放送されたことで話題となり、認知度が一気に高まりました。ショーの制作費用は、絵コンテから開催場所の現地調査、ドローンの飛行申請まで、すべての工程を含んで、1機3万円から、300機(900万円)以上からの受注となります(日本最大のドローンショー運営会社[レッドクリフ]の場合)。

 そして今、このドローンショーが“広告コンテンツ”になり得ることに着目し、実際に取り入れている企業が増えてきています。

 昨秋、大阪の夜空に突如出現した、全長100mの巨大な目-----[ロート製薬]が10月10日の「目の愛護デー」に合わせて行ったドローン広告で、帰宅途中の人々を驚かせました。黒目の部分が右へ左へ動いて目の運動を促す仕掛けも。使ったドローンは300機で、リアルイベントのパワーが実感できる広告となりました。

 昨年11月、横浜赤レンガ倉庫で行われた「コカ・コーラ クリスマスドローンショー」では、12月25日にちなんで1225機のドローンによる約20分という、国内最大規模のショーが開催されました。夜空にサンタやトナカイなどが星座のように次々と描かれ、最後に披露されたのが“QRコード”でした。見ている人が空に向かってスマホで読み込むと特設サイトへ飛び、ショーの動画のクリスマスカードが友人や家族に送れる仕組み。

 花火大会とのコラボ企画も、より高い認知効果が見込めると好評です。

 [オリエンタルランド]では、「東京ディズニーリゾート」の40周年を記念したドローンショーを昨年、全国5カ所の花火大会とコラボして実施。約700機のドローンによってディズニーのキャラクターが描かれ、例えばミッキーが手を上げるのを合図に花火が打ち上がるといった連動で、大勢の人が釘付けになりました。今後は、花火の横に協賛企業のロゴを表示させることも可能に。それがSNSや動画サイトでシェアされることで拡散効果が期待できると共に、海外向けに発信することも可能になってきます。

 『日経トレンディ』が発表した“2024年ヒット予測ベスト10”の1位に選ばれたのが「ドローンショー」でした。ドローン先進国、中国の背中を追いながら日本でもドローンショーの運営会社は増えてきています。エンタメの要素を多く含み、イベントの一環として活用できるドローン広告は、新しい広告媒体として、今後、間違いなく浸透していくと思われます。

※参考:

レッドクリフ         https://redcliff-inc.co.jp/

ロート製薬          https://www.rohto.co.jp/

日本コカ・コーラ      https://www.coca-cola.com/jp/ja/

オリエンタルランド      https://www.olc.co.jp/ja/ 日経МJ(2023年12月27日付)  

 

■韓流マーケティングが奏功。コロナ禍を逆手に、「韓国コスメ」絶好調。

 プチプラ(プチプライス=低価格)なのに高品質で、パッケージも“映えて”かわいいと、10~20代を中心に日本でも人気を集めている「韓国コスメ」。

 2000年代から続々と日本の市場に参入。コロナ禍で日本の化粧品市場が落ち込む中、2022年には、韓国からの輸入額(775億円=対前年比25%増)が初めてフランス(764億円)を抜いて1位に躍り出ました。対2019年比で約2倍増の急成長です(日本化粧品工業会)。

 世界に名だたるコスメブランドがそろう日本で、なぜ、韓国コスメが支持を集めているのでしょう-----。

 韓国で化粧品産業が本格的に発展し始めたのは1960年代のこと。この60年余りの間に、市場規模では世界8位に、輸出額では日本を抜き、フランス、アメリカ、ドイツに次ぐ世界4位の“コスメ大国”に成長。韓国は、グローバルな競争力を高めるため、研究開発費の一部を国が補助するなど、“K-Beauty”(海外での韓国コスメの呼称)の海外進出に国を挙げてバックアップしています。このような財政サポートを行っている国は、韓国以外にはありません。

 “K-POPが好きだから”“韓国ドラマをよく見るから”“推しの韓国アイドルが愛用しているから”というのが、韓国コスメへの主な入り口です。2000年代に日本で旋風を巻き起こした「冬のソナタ」のころの第1次韓流ブームから時を経て、第4次韓流ブームの今、日本では再び韓国コスメブームが到来。ブームの火付け役は、「BTS」などの音楽や「愛の不時着」「パラサイト」といったドラマ・映画などの韓流コンテンツです。ドラマの中で女優さんがメークするシーンで商品がさりげなく映り込んでいる----これは「間接広告」の効果を狙ったマーケティング手法の一つで、こういった仕掛けによって例えば、〇〇という女優さんが劇中で使用したリップが、“〇〇リップ”となって口コミで広がり有名になったケースも。

 これまで中国市場に力を入れてきた韓国コスメ業界は、日本のユーザーの好みに合わせたラインアップの強化や販売チャネルの見直しなど、本格的な日本進出へ向け戦略を練っています。韓国大手ブランド[アモーレパシフィック]は、昨秋開業した[マツキヨココカラ&カンパニー]の旗艦店(東京・渋谷)に専用売り場を開設。昨春には、韓国風メークができる男性向け化粧品シリーズ「iisam(イイサム)」をPBとして発売。また、2019年に日本上陸した韓国のコスメブランド[rom&nd(ロムアンド)]は、[ローソン]と共同開発したローソン限定のミニサイズの新ブランド「&nd by rom&nd(アンド バイ ロムアンド)」を昨春立ち上げ、発売3日間で在庫30万個が完売して話題となりました。

 韓国コスメメーカーの強みは、市場の先読みと、製品開発の斬新な発想、つまりトレンドを創出する能力に優れている点にあるといわれます。例えば、従来の製品を少容量で低価格にした“ミニコスメ”は、世界の市場で10代を中心とした消費者のマインドを見事にキャッチしました。マーケティング、つまり、モノが売れる仕組みづくりの上手さが韓国コスメの躍進を支えているといっても過言ではありません。

 品質の高さに頼りすぎることなく、国が後押ししながら巧みにエンタメとからめて世界を舞台に消費ブームを巻き起こす韓国の貪欲さは、日本メーカーも学ぶべき点が多いのではないでしょうか。

※参考:

日本化粧品工業会         https://www.jcia.org/

マツキヨココカラ&カンパニー   https://www.matsukiyococokara.com/

ローソン               https://www.lawson.co.jp/

日経МJ(2023年12月18日付)