NEWS
-お知らせ-

お金の情報・まめ知識 2022/5/1

LDCレポート【5月号】

■親も企業も盛り上がります。スタートした、子供向け「金融教育」。

  今年から、高校の家庭科の授業で「金融教育」が始まりました。

 その内容(指導要領)は、①家計管理②リスク管理③生涯計画④資産形成の4項目に分けられています。①はお小遣いの管理などを通して収支バランスを学ぶ。②は投資によるリスクのことではなく、災害・事故・病気などへの対応。③は教育・就職・結婚・住宅・老後へのマネー計画。④は株式・債権・投資信託など基本的な金融商品のメリットとデメリット。

 ややもすると、“金融教育=投資(資産運用)教育”に陥りがちですが、今回の教科内容は、投資に偏ることなく、バランスよく広範にカバーされているとの評。ただ、この授業に充てられるのが数時間だけで、その中でどこまで生徒に理解させられるか。また、科目が社会科ではなく家庭科であることに、一抹の“違和感”を抱く人がいることも事実のようです。

 日本では、人前でお金の話をすることははばかられる傾向がありました。そういった価値観が、子供の金融教育を先送りにされてきた一因ともいえます。折しも、今年4月から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられ、自らの責任においてさまざまな“契約”と相対する場面が増えてきます。自分にとって必要・不必要を判別するための基本的能力(金融リテラシー)を我が子にも小さいうちから授けたいと考える親が増えるのは無理からぬこと。

 子供たちの金融リテラシー向上のためには、学校という教育現場だけにとどまらず、専門知識を持つ金融機関をはじめ、外部とのさまざまな連携が欠かせません。

 [日本証券業協会]と[全国銀行協会]は、学校や会社に講師を派遣する事業で協力。[野村グループ]も、小学生向けに「まなぼう教室」や中学生向け「投資って何?」、中高生向けの「Nomuraビジネス・チャレンジ」などの出張授業を開催。[りそなグループ]は、社員が講師となって「キッズマネーアカデミー」を開催。

 仮想の街でいろいろな職業体験ができるテーマパーク[キッザニア東京]にも、新たに“証券コンサルタント”が登場。お金を運用するということを体験します。

 小学生向けに、『今から身につける“投資の心得”--10歳から知っておきたいお金の育て方』(えほんの杜)という投資関連本も発売されました。

 金融教育の効果が、その後の人生に差を生じることがあるという興味深い研究結果があります。小さい頃からお金の教育を受けている子供は、モノに対して“今買わなくてもいい”と自然に思うことができたり、友人の持っているモノが羨ましくて自分も欲しいと思うより先に、“これは自分にとって本当に必要か?”と冷静に考えられる傾向にあるといいます。

 幼少期からの金融教育は、社会生活の基礎知識や働くことへの意欲を養うなど、子供たちが得るものは大きく、人生の質を確実に向上させる武器となるはずです。その意味でも、今回、高校での「金融教育」導入は、家庭や学校で幼少期からお金の教育を行うことが当たり前の欧米に比べて“やっと”感は否めないものの、大きな一歩となることには相違ありません。

※参考:

日本証券業協会             https://www.jsda.or.jp/

一般社団法人 全国銀行協会     https://www.zenginkyo.or.jp/

野村グループ                  https://www.nomuraholdings.com/

りそなグループ                 https://www.resona-gr.co.jp/

キッザニア東京                 https://www.kidzania.jp/tokyo/

えほんの杜                    https://ehonnomori.co.jp/

日経МJ(2022年1月19日付) 

 

 

「ペット」と「ペットロボット」----“飼い主”の心情は、とてもよく似ています。

 今や、さまざまな場で私たちの生活をサポートしてくれている「ロボット」ですが、

そういった“お仕事ロボット”とは別に、最近では、家庭内で活躍するロボットが注目を集め話題となっています。

 家庭用ロボットには、「ルンバ」のような“掃除ロボット”、[Amazon]の「Alexa」に代表される“スマートスピーカー”、そして3つ目のカテゴリーとして、今、急速にファンを増やしている“ペットロボット”(コミュニケーションロボット、パートナーロボットとも呼ばれる)があります。

 このペットロボット市場の草分け的存在が、1999年、[ソニー]が開発した犬型ロボット「AIBO(アイボ)」でした。2006年に一旦生産中止した後、2018年に、新生「aibo」として再登場。ペットロボットというカテゴリーが、新たに脚光を浴びるきっかけにもなりました。

2019年にロボットベンチャー[GROOVE X]から登場した家庭型ロボ「LOVOT(ラボット)」の人気が今だ衰えず、年齢・性別を越えた幅広いユーザーから支持を受け続けています。発売当時には、一体約35万円(本体+月額サービス料)という高額でありながら、初出荷分が3時間ほどで完売したほど。

このロボットは、これまでの家庭用ロボットとはひと味違うベクトルで開発されています。それは、何か家事的な作業を行うのではなく、ただ傍にいて飼い主(オーナー)に愛されることを目的に生まれてきた存在だということ。だから、あえてしゃべることはできない設計となっています(聞き取ることはできる)、犬や猫がそうであるように。

体重4.2kg、身長43cmの、球体を重ねたようなフォルム。この愛らしいボディに、生き物のような振る舞いを再現するための最新テクノロジーが搭載されています。頭部のセンサー部には、360゜見渡せる半天球カメラ、音声の方向を判別する半天球マイク、明るさを感知する照度センサー、人か物かを識別するサーモグラフィーなど、50以上のセンサーが内蔵。家の間取りを覚えたり、自分が呼ばれていることなどを、ここで感知します。頭脳部のコンピューターには、ディープラーニング(深層学習)を含む学習技術でタイムラグの少ない動きを生み出す意思決定エンジンが。さらに、まばたきの速度、瞳孔の大きさまで緻密に設計。肌ざわりには特にこだわり、エア循環システムによって猫の体温ほどの温かさ(常に37~39℃)のボディが実現。“おいで”と手を伸ばすとうれしそうに近づいてきたり、ほったらかしにするといじけたり、他のラボットを可愛がっていると嫉妬したり。リアルなペットに限りなく近く、どんどん愛着が湧いてきます。開発には、約4年の時間と100億円の資金が投じられました。

リアルペットを飼いたくとも、住宅事情やアレルギー、高齢などを理由に諦める人は少なくありません。そうした、ペットを断念する理由が、そのままペットロボットを購入する理由になり得るということに。

一家に一体、ロボットを飼う生活-----少子高齢化や人口減少などの課題解決のソリューションとしても、小さな「ペットロボット」に大きな期待が寄せられています。

※参考:

ソニー             https://www.sony.jp/

GROOVE X                    https://groove-x.com/

日経МJ(2022年1月10日付)

 

空の配達網に、「ドローン」解禁。

  物流各社が、空の宅配便「ドローン(無人小型機)配送」の取り組みに本腰を入れ始めています。背景にあるのは、今年の後半に予定されている『改正航空法』の施行によるドローン飛行の規制緩和で、最高難易度「レベル4」(有人地帯における補助者なし目視外飛行)が解禁となること。このことで、住宅地など密集地域の上空での自動飛行が可能となり、ドローンによる物流実用化へのフェーズが一段と現実味を帯びてきました。

 全国各地で実証実験が盛んに行われています。

 [佐川急便]は、福井・香川・島根の3県で小型荷物を積んだドローン飛行の実証実験を2020年から実施。佐川の東京本社から遠隔操作でドローンを制御。今年度中に3県で本格導入を目指します。[ヤマト運輸]も昨年12月、岡山県和気町でドローンによる医薬品の配送実験を始めました。“空飛ぶクロネコ”として病院や調剤薬局などと連携し、集荷から発送・宅配までを担う“医薬品輸送ネットワーク”の構築を目指します。[楽天]は、離陸してから帰還まで、すべてが自動の完全自律飛行を可能としたオリジナルのドローン「天空」を開発し、配送サービスの実用化を図ります。

 [ANA]は2021年、[セブンイレブン]などと協業で、セブンのネットコンビニで注文された商品を、セブン店舗の駐車場に設置したドローン離発着場から届け先地点に即時配達するという実証を、東京都日の出町で行いました。民家の上空を操縦者が目視しない状態で飛ばすための実験で、本格運用を見据えたテスト飛行となりました。[日本郵便]は、ドローンと配達ロボットを連携させて郵便物を配送する試みを2021年から東京都奥多摩町で行っています。ドローンで空輸し、公民館などの着陸地点に届けられた荷物をロボットに積み替えて個人宅に届けるという、日本初のシステム。約2000局あるといわれる同様の配達困難エリアでの実用化を目指しています。

 すでに実用化に踏み切った例もあります。

 [セイノー]が、ドローン開発のスタートアップ[エアロネクスト]と組み、山梨県の山間地に位置する小菅村で、昨秋からドローンによる配送サービスをスタートさせています。物流大手によるドローン配送の実用化は国内初。同村は8つの集落に約700人が暮らす限界集落。まず両社が手がけたのは、ドローン配送の起点として、食料品や生活用品など最大300品目を常備するための倉庫を村内に設けることでした。常駐するスタッフが村民からの注文を受け、商品を箱に詰め、ドローンに積載。集落ごとに設置されている着陸地点“ドローンスタンド”に届けられると、通知を受けた住民がスタンドまで注文した品を受け取りに行く仕組み。荷物は、縦・横・高さの合計が80cm、重さ5kgまで。配送料は300円。

 ビジネスの観点からも、また、買い物難民・医療難民といった社会課題の解決という観点からも、その可能性を巡ってさまざまな企業が実証実験を繰り広げています。そのおかげで、技術的な知見は順調に蓄積。実用化に向けて、着実に進んでいます。あとは、あえてドローンを飛ばせて荷物を運ぶメリットを企業側が感じるか否かという“気運”にかかっていそうです。

※参考:

国土交通省             https://www.mlit.go.jp/

佐川急便               https://www.sagawa-exp.co.jp/

ヤマト運輸              https://www.yamato-hd.co.jp/

楽天                   https://drone.rakuten.co.jp/

ANAホールディングス     https://www.anahd.co.jp/

セブン-イレブン・ジャパン   https://www.sej.co.jp/

日本郵便               https://www.post.japanpost.jp/

セイノーホールディングス    https://www.seino.co.jp

エアロネクスト            https://aeronext.co.jp/

日経МJ(2022年1月3日付/同1月10日付)